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アイキャッチ、メタ情報、抜粋
2022-01-28東北・新潟の新聞社(河北新報社、山形新聞社、福島民報社、新潟日報社)が連携し、地元の魅力を発信するニュースサイト「7TIMES(セブンタイムス)」。今回は、河北新報社と新潟日報社が協力し、世界遺産の国内推薦を目指す「新潟県佐渡島」に焦点を当てた企画をお届けします。
新潟県佐渡島と聞くと、何を思い浮かべますか?
一般的には、佐渡金山やたらい舟、空を舞うトキの姿をイメージする人が多いでしょう。
それだけではありません。佐渡島は、寒ブリや南蛮エビなどの魚介類、ルレクチエやおけさ柿といった果物の生産も盛んです。海に山に、豊富な食材に恵まれ、鬼太鼓などの伝統芸能が息づくまち。日本海を望む美しい景色も見どころです。
今回は、佐渡島の金山の歴史にゆかりある伝統芸能と子どもたちの姿を、3回にわたり連載します。ぜひこの機会に、佐渡島の魅力に触れてみませんか。
誇りを継ぐ – 文弥人形編
人形に命が吹き込まれる島―佐渡。
人形が語り、笑い、泣き、勇ましく薙刀(なぎなた)を振りかざすときもある。古くから受け継がれてきた「説経人形」「のろま人形」「文弥人形」の人形たちは、人情ものや合戦ものを演じ、島民に長く愛されてきた。
説経人形は江戸時代に上方から伝えられたとされる。人形の衣装に手を差し、説経節に合わせて動かす。
のろま人形は説経人形の幕間狂言として広がり、間抜けで正直者の主人公が佐渡弁で笑いを取る。
文弥人形は哀調を帯びた文弥節に合わせ、人形の頭が前後左右に動き、細やかな感情を表現する。
金銀山の繁栄によって全国から人が集まり、人形芝居も盛んになった。近代化とともに島外の都市部では廃れたが、島内では各地のグループが継承してきた。
その一つ、真野地区を拠点に文弥人形を守る真明座の座長川野名孝雄さん(90)は言う。「子どものときは、祭りで人形をやると、ごっつおうが食えたからやった。父親やいろんな使い手を見て教わった。厳しかったが、大人になっても続けてこられたのは、好きだったから」
今では珍しい三つの人形芝居は、国の重要無形民俗文化財にもなった。
授業で文弥人形を取り上げる小中学校もある。真野中学校では20年ほど前から総合学習のテーマの一つとなり、川野名さんらが講師を務める。「佐渡から人形をのうせんようにしてもらわんと、親や先輩たちに申し訳ない」。そう思う川野名さんの指導には熱が入る。
本年度は1~3年の計9人が学んだ。3年の3人はともに「兄がやっているのを見て、自分もやろうと思った」と口をそろえる。
自分でなく、人形に演技をさせること」(飯森信三郎さん)を面白いと感じ、「扱うのが難しいからこそ」(高野満暉さん)、あるいは「昔からあるものを身に付けることができる」(瀧川啓太さん)と思えることで、やりがいも感じた。
そして、人形芝居が残るのどかな地域を自慢するように言った。「ここは、ふるさとらしいふるさと」―。
2022-01-12もうすぐ節分。Twitterでの投稿が1.5万リツイート、2.8万いいね!を記録、多くの反響を呼んだ「大バズリ」企画が今年も登場しました。
仙台うみの杜水族館(仙台市宮城野区)では2022年2月6日まで、生きたマアナゴがのり巻きに見立てた筒から顔を出す「恵方巻き」水槽が展示されています。
展示は2020年から行われ、今年で3回目。ご飯を発泡スチロールで、のりを黒い網でそれぞれ表現した長さ55センチ、直径14センチの筒3本を、45匹が泳ぐ水槽に設置。
アナゴは夜行性で日中は隙間に隠れる習性があり、筒の中はすし詰めの状態で、顔だけを外に出しています。
また、今年からは、山口県で福を呼び込む魚として親しまれている“フグ”も水槽に仲間入り。さらに縁起の良い水槽へと「グレードアップ」しているということです。
広報担当の板橋瑠花さんは「アナゴの恵方巻水槽を通じて、夜行性で、日中は狭い隙間などに隠れるアナゴの習性や、意外と可愛らしい表情など、多くの方にアナゴの魅力を知ってもらえたら嬉しいです」と話していました。
恵方巻きは、2月3日の節分にその年の良いとされる方角(2022年は北北西やや北)を向いて食べる巻き寿司のことで、無言で食べると縁起が良いとされています。
「福を巻き込む」との意味を込め、七福神にあやかり7種類の具材が入ったものが望ましいと言われていて、アナゴやウナギは、その代表的な具材のひとつということです。
期間中は、アナゴと一緒に恵方巻になれる顔出しパネルも設置。恵方巻から顔を出して、水槽のアナゴの気分を味わえるほか、「アナゴの恵方巻ぬいぐるみ」(3300円・税込み)や恵方巻水槽をイメージしたメニュー「恵方巻みたいなジャンボカレードッグ」(880円・税込み)が平日限定で提供されています。
2021-12-17
宮城県は17日、人気ゲーム「ポケモン」の海獣キャラクター「ラプラス」とタイアップした「ラプラスカフェ」を仙台市青葉区の複合施設「クロスBプラス」に開設します。
「みやぎ応援ポケモン」のラプラスと連携した観光誘客企画で、来年1月16日までの期間限定。
カフェではラプラスをイメージしたパンケーキなどのオリジナルメニューを提供し、県内企業とコラボした各種ラプラスグッズを販売します。
ラプラスと、それぞれ岩手県、福島県を応援する「イシツブテ」や「ラッキー」が登場するイベントも開催されます。
新型コロナウイルスの影響を受けた観光業の支援策の一環。店内では大型ビジョンを使って宮城の観光情報を放映します。通常200席の定員を84席に制限し、感染対策に配慮しています。
宮城県は2019年7月に応援ポケモンに就任したラプラスと観光キャンペーンを展開。今年7月には制作販売会社のポケモン(東京)と観光振興を軸とした包括連携協定を締結し、スタンプラリーなどを実施しています。
村井嘉浩知事は12月6日に行われた定例記者会見で「訪れた人が県内を巡りたくなる仕掛けを施した。さまざまなメニューも制作中だ」と語りました。
営業は午前10時~午後5時で、1時間20分ごとの総入れ替え制。事前予約者優先で予約は各日3日前まで、1グループ4人が上限。ラプラスカフェの特設ウェブサイトから申し込む。当日でも空きがあれば入店できるということです。
2021-12-03長引くコロナ禍、街の停滞感を打ち破るかのような鼓動が、仙台の中心部に響いた。
11月26~28日、仙台市青葉区の東北電力グリーンプラザで、佐渡島(新潟県佐渡市)の金山の世界遺産登録を応援するイベントが開かれた。
一環として披露された伝統芸能「鬼太鼓(おんでこ)」。赤鬼と青鬼が、太鼓に合わせて力強く舞い、仙台の街に無病息災と五穀豊穣への祈りをささげた。
仙台市青葉区の複合施設「CROSS B PLUS」を出発し、人が多く行き交うマーブルロードおおまち商店街へ。道行く人が興味深そうに足を止め、視線を向ける。
「なまはげかと思ったら、新潟から来たの」「お祭りのような太鼓が聞こえたので見にきた。鬼の舞に元気をもらった」―。
今回、佐渡島からやってきたのは、鬼太鼓「鼓志の会」。コロナ禍という社会情勢も鑑み、10分ほどの披露だったが、鬼が最後に太鼓を打ち鳴らすと、観衆からは惜しみない拍手が送られた。
そもそも、「鬼太鼓」とは何か。「鬼」と聞くと怖いイメージが先行しがちだが、佐渡島の鬼には角がない。
世界遺産登録応援サイト「SADOプライド」によると、鬼太鼓には地域の家々を回るなどして厄をはらい、 五穀豊穣を祈るなどの役割もある。佐渡島では120ほどの集落で、伝統芸能として受け継がれている。
一方で、鬼の舞い方や太鼓のリズムなど、集落によっていくつもの違いがあり、それぞれの鬼太鼓に地域の誇りが詰まっているという。
佐渡市観光振興課交流イベント推進室長の斎藤博文さんは「仙台の人たちがとても温かく迎えてくれて嬉しかった。世界遺産認定に向けて、仙台の皆さんも一緒に応援してもらえたらありがたい」と話す。
国の文化審議会世界遺産文化遺産部会が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界文化遺産登録を求める国内推薦候補について審議を開始した。
過去4度選に漏れ、5度目の挑戦。2021年度の推薦を目指しているのは「佐渡島の金山」のみで、今月中にも結論が出る見通しだ。
2021-11-26気分に合わせて選んでみよう
「クラフトビールを飲んでみたいけれど、どれがいいのか迷っちゃう」。そんな風に思ったことはありませんか?
実は筆者もその1人。仙台市青葉区の複合施設「CROSS B PLUS」に併設のクラフトビール醸造所「BATSUJI BREWING」の取材をきっかけに、クラフトビールを知った「初心者」です。
「初心者でもクラフトビール選びが楽しくなる方法はないでしょうか?」。
BATSUJI BREWING・ブリュワー(ビール職人)の畠山崇裕さんに尋ねると、「チャートを作ると分かりやすいですよ」とのこと。畠山さんと一緒に、今の気分に合わせて選べるクラフトビールの種類と特徴をまとめました。
「5000杯以上飲んでいただいています」
編集部
きょうはありがとうございました!クラフトビールを選ぶのが楽しみになりました!
畠山さん
いえいえ、こちらこそありがとうございました。
編集部
BATSUJI BREWINGで造ったクラフトビールの提供が始まって1カ月たちました。振り返っていかがですか。
畠山さん
おかげさまで、本当に多くのお客さまに飲んでいただけています。タンク1本(300L)から1500杯(スモールサイズ)のビールを造れるのですが、最初に仕込んだタンク3本(900L)が空になりました。
2回目の仕込み分も合わせると、すでにスモールサイズ5000杯と同等の量が出ています。
新しい銘柄をどんどん追加します
編集部
さらにラインナップが増えるとか。
畠山さん
はい。BATSUJI BREWINGの自家製クラフトビールは、完売次第、新しい銘柄をどんどん追加していきますよ。
11月27日から始まるイベント「東北レストラン」では、私が選んだ東北6県のブリュワリーのクラフトビールも飲めますので、ぜひ多くの方に飲み比べてもらいたいです。
編集部
新しい種類のビールは、提供が始まったらどのくらいで完売しそうですか。
畠山さん
今のペースで多くのお客さまに飲んでいただけるとなると、20日間前後でしょうか。BATSUJI BREWINGのSNSなどでも情報発信していますので、チェックしていただいて、早めに飲みに来ていただければと思います。
ビールファンの心くすぐる仕掛け お楽しみに
編集部
初めて訪れる人はもちろん、ビール好きにとっても、何回もリピートしたくなりますね。
畠山さん
そうなんです。クラフトビールが好きな方は特に、「お店に来たら新しい種類が飲める」というのを期待していると思うので。
クラフトビールファンの心をくすぐる仕掛けをたくさん考えていますので、ぜひ何度も足を運んでもらいたいですね。
イベント情報
11月27日から12月10日まで、「東北の魅力を五感でつなぐ 東北ライブレストラン」(主催・仙台市)が開かれます。
期間中は、「BATSUJI BREWING」の自家製クラフトビールと、東北6県のブリュワリーから仕入れたクラフトビールが味わえます。
2021-11-24「幻の西洋ナシ」ル・レクチエをふんだんに使ったデザートを味わってみませんかー。
仙台市青葉区の複合施設「CROSS B PLUS」では、11月24、25日の両日、ランチメニューを注文した先着50人に、新潟県佐渡島産ル・レクチエをふんだんに使ったデザート(ババロア)をサービスします。
ル・レクチエの主な産地は新潟県。西洋ナシの中でも糖度が高く、食味も抜群で、贈答用としても人気のある果物です。仙台市内では、なかなか食べられる機会が少ない「逸品」です。
デザートの材料となるル・レクチエは、仙台市青葉区のグリーンプラザ仙台で11月26~28日に開かれるイベント「黄金の島 佐渡展~新潟の宝が世界の宝へ~(新潟日報社・東北電力新潟支店)」を前に、多くの人たちに佐渡島の魅力を知ってもらおうと、JA佐渡から贈られました。
CROSS B PLUSでは、大型LEDで佐渡島の魅力に迫った動画も放映しています。
ル・レクチエをたっぷり使ったデザートに舌鼓を打ちながら、佐渡島の魅力を感じてみませんか。
JA佐渡からのメッセージ
西洋ナシといえば「ラ・フランス」が有名ですが、新潟県佐渡島では「ル・レクチエ」を栽培しています。
フランス原産で、甘くとろけるような食感と芳醇な香りが特徴です。
西洋ナシの最上位品種として位置付けられ、プリっと丸みを帯びた美しい形、滑らかな食感や芳醇な香りから、「西洋ナシの貴婦人」と称えられています。
ル・レクチエは、栽培が難しく、11月下旬から12月下旬までの約1カ月間しか市場に出回らないため、「幻の西洋ナシ」とも呼ばれ、お歳暮やクリスマスの贈答品として高く評価されています。
樹上では完熟しないため、10月中旬頃に収穫し、品質を保ちながらゆっくりと寝かせて美味しく熟すのを待ちます。
果皮が鮮やかな黄色になり、茶色の軸が黒くしわしわになって、甘い香りがしてきたら食べごろです。
仙台の皆さまに、新潟県佐渡島産「ル・レクチエ」の美味しさを感じていただき、佐渡島を知ってくださるきっかけになれば嬉しいです。
2021-11-23東北・新潟の新聞社(河北新報社、山形新聞社、福島民報社、新潟日報社)が連携し、地元の魅力を発信するニュースサイト「7TIMES(セブンタイムス)」。今回は、河北新報社と新潟日報社が協力し、世界遺産の国内推薦を目指す「新潟県佐渡島」に焦点を当てた企画をお届けします。
新潟県佐渡島と聞くと、何を思い浮かべますか?
一般的には、佐渡金山やたらい舟、空を舞うトキの姿をイメージする人が多いでしょう。
それだけではありません。佐渡島は、寒ブリや南蛮エビなどの魚介類、ルレクチエやおけさ柿といった果物の生産も盛んです。海に山に、豊富な食材に恵まれ、鬼太鼓などの伝統芸能が息づくまち。日本海を望む美しい景色も見どころです。
今回は、佐渡島の金山の歴史にゆかりある伝統芸能と子どもたちの姿を、3回にわたり連載します。ぜひこの機会に、佐渡島の魅力に触れてみませんか。
誇りを継ぐ – やわらぎ編
夏の日差しが肌に突き刺さる。紙製の面の下からは玉の汗。「ほうらいや~」。親方役の児童が声を上げた。金穿(かなほり)大工役の児童がつちを振り上げた。金銀山の繁栄と金穿作業の安全を願う神事「やわらぎ」が始まる。
佐渡市の相川小学校4年生が地元の歴史や芸能を知る「相川学」の一つとして取り組んでいる。
子どもたちの後ろには山がV字に割れたような「道遊の割戸」が迫る。江戸時代、巨大な鉱脈を掘り進んだ露頭掘り跡。山頂部の割れ目は幅約30m、深さ約74mもある。
金穿は過酷だった。鉱脈を懸命に掘れば掘るほど石粉や煙を吸い、誰もが短命だった。
坑道の中では今、電動人形がつぶやく。「早く外に出て酒を飲みてえ。なじみの女にも会いてえなあ」
佐渡の金銀山が幕府の財政を支えた江戸時代、「やわらぎ」には金穿大工の祈りが込められた。別名「蓬來(ほうらい)」。ワラで編んだむしろの裃(かみしも)にムカデが張り付くように描かれている。その姿が金鉱脈に似ているとして、信仰対象になっている。
多くの汗と命がしみ込んだ金銀山から鉱山技術の歴史が分かるという。関係者は世界遺産の価値があると訴えてきた。
「やわらぎ」を学ぶ子どもたちは口々に言う。「金銀山が世界遺産になってほしい」。世界的価値がある地域の宝として、未来に伝えるべき地域の誇りとして。
古くから「黄金の島」と呼ばれてきた佐渡は、多くの人々を魅了してきた。
平安時代末期の「今昔物語集」には、能登の人が佐渡に渡り、金を掘った説話が載っている。採掘場所は島の南西部の西三川砂金山と推定されている。
戦国時代には越後の商人が船に乗っていた際、島の西側の山中から夜空を照らす光を見つけ、鶴子銀山の発見につながったという説話もある。そこで銀を掘っていた山師が相川金銀山の鉱脈も発見したと伝えられている。
江戸時代、佐渡島では世界に誇る質と量の金を産出した。山を崩して砂金を採った水路や、いくつもの露頭掘り、坑道掘りの跡と、長大な排水坑道が残る。小判を製造するために精緻な製錬・精錬が行われ、その技術を遺物や絵巻がいまも雄弁に語っている。新潟県や佐渡市によると、それらから伝統的手工業による鉱山技術の歴史的な推移と到達点が分かるという。
そうした世界的にも貴重な遺跡群を残した人々は、多様な生活文化や芸能も島独自に発展させた。珍しい地形や豊かな緑、海と大地の恵みも大切に活用してきた。それらはすべて島の誇りとして島民に受け継がれてきた。
今月11日、国の文化審議会世界文化遺産部会が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界文化遺産登録を求める国内推薦候補について審議を開始した。本年度の推薦を目指しているのは「佐渡島の金山」のみで、 ライバルはいないとみられる。 11月か12月には結論が出る見通しだ。
これまで4度も選に漏れてきた。しかし、島民や関係者はあきらめない。金銀山には世界遺産の価値があると確信しているからだ。世界に向けて、島の誇りをいつでも示す準備はできている。
イベント情報
新潟県佐渡島のJA佐渡産「ルレクチエ」を使ったデザートサービス
開催期間:11月24日(水)、25日(木)11:30~15:00
会場:CROSS B PLUS 仙台市青葉区大町1丁目1-30
※ランチタイム限定、お食事ご注文の先着50名様にサービス
新潟県佐渡島の映像放映
開催期間:11月24日(水)、25日(木)、26日(金)
会場:CROSS B PLUS 仙台市青葉区大町1丁目1-30
「黄金の島 佐渡展~新潟の宝が世界の宝へ~」
開催期間:11月26日(金)、27日(土)、28日(日)10:00~18:00(最終日は16:00まで)
会場:東北電力グリーンプラザアクアホール(電力ビル1F)
仙台市青葉区一番町3丁目7-1
鬼太鼓お披露目練り歩き
開催期間:
11月27日(土) 1) 10:45~11:00 2) 13:00~13:15
11月28日(日) 11:00~11:15
会場:マーブルロードおおまち商店街 藤崎本館前
東北・新潟の新聞社(河北新報社、山形新聞社、福島民報社、新潟日報社)が連携し、地元の魅力を発信するニュースサイト「7TIMES(セブンタイムス)」。今回は、河北新報社と新潟日報社が協力し、世界遺産の国内推薦を目指す「新潟県佐渡島」に焦点を当てた企画をお届けします。
新潟県佐渡島と聞くと、何を思い浮かべますか?
一般的には、佐渡金山やたらい舟、空を舞うトキの姿をイメージする人が多いでしょう。
それだけではありません。佐渡島は、寒ブリや南蛮エビなどの魚介類、ルレクチエやおけさ柿といった果物の生産も盛んです。海に山に、豊富な食材に恵まれ、鬼太鼓などの伝統芸能が息づくまち。日本海を望む美しい景色も見どころです。
今回は、佐渡島の金山の歴史にゆかりある伝統芸能と子どもたちの姿を、3回にわたり連載します。ぜひこの機会に、佐渡島の魅力に触れてみませんか。
誇りを継ぐ – 鬼太鼓編
恐ろしい形相の鬼たちが、住民の幸せを願って舞う島―佐渡。
この鬼はいつから島に棲(す)み、どうして島民から愛される存在になったのか、確かなことは分からない。ただ、江戸時代の文献に「鬼太鼓」という呼称が見える。同じ時期の絵巻にも鬼太鼓とみられる絵がある。相川の金銀山で働いていた人々が鬼面を付け、太鼓を打っていたようだ。
鬼には地域の家々を回って厄をはらい、 五穀豊穣を祈るなどの役割もある。いまでも島内120ほどの集落で、伝統芸能として受け継がれている。しかし鬼の舞い方、太鼓のリズム、笛や獅子の有無など、集落によっていくつもの違いがみられる。それぞれの鬼太鼓には「うちが一番」という 誇りと地域のアイデンティティーが詰まっている。
古くから鬼は大人たちの役目だったが、子どもの鬼もいる。1974年には 畑野地区の小倉 小学校(2013年3月閉校)が郷土を思う心をはぐくむ教育の一環として、「小倉子ども鬼太鼓」の活動をスタートさせるなど、子どもたちが担い手に 加わる集落もある。
新穂地区の青木。住民に子どもの鬼を見たいと依頼すると、地元の熊野神社に新穂中1年の川上純平さん(12)と行谷 小6年の川上世友さん(11)が鬼になって現れてくれた。ここでは面の色でなく、髪の色で鬼を白と黒に区別する。純平さんが白鬼、世友さんが黒鬼。どちらも髪を 振り乱しながら、勇ましく舞い始めた。
伝統を守るなどという気負いはない。ただ「かっこよく舞いたい」と思って練習に励むと、「楽しかった」。見ていた大人たちが「もっと腕を上げて」「上を向いて」と声を上げた。集落の鬼太鼓を守るために、そして、子どもたちの成長を願って。
子どもの白鬼も黒鬼も金銀山が世界 遺産になることを望んでいる。「佐渡の 知名度が上がるとうれしい。いろんな人に知ってほしい」。その言葉は、郷土を誇りに思っている証だ。
イベント情報
新潟県佐渡島のJA佐渡産「ルレクチエ」を使ったデザートサービス
開催期間:11月24日(水)、25日(木)11:30~15:00
会場:CROSS B PLUS 仙台市青葉区大町1丁目1-30
※ランチタイム限定、お食事ご注文の先着50名様にサービス
新潟県佐渡島の映像放映
開催期間:11月24日(水)、25日(木)、26日(金)
会場:CROSS B PLUS 仙台市青葉区大町1丁目1-30
「黄金の島 佐渡展~新潟の宝が世界の宝へ~」
開催期間:11月26日(金)、27日(土)、28日(日)10:00~18:00(最終日は16:00まで)
会場:東北電力グリーンプラザアクアホール(電力ビル1F)
仙台市青葉区一番町3丁目7-1
鬼太鼓お披露目練り歩き
開催期間:
11月27日(土) 1) 10:45~11:00 2) 13:00~13:15
11月28日(日) 11:00~11:15
会場:マーブルロードおおまち商店街 藤崎本館前
子どもから大人まで世代を問わず、つい手が伸びるくじ引き。「何が当たるか分からない」というドキドキ、欲しいものが当たったり、外れたり…。気持ちが揺さぶられるところも醍醐味です。
しかしながら、仙台うみの杜水族館(仙台市宮城野区)に、「常識」を覆すくじ引きがあるらしい。
さっそく、7TIMES編集部が調査に行くと、広報担当・板橋瑠花さんと、チンアナゴの飼育担当・角張博聡さんが応じてくれました。
- 編集部:
- こちらに「くじ引きらしくないくじ引き」があると聞いたのですが…
- 広報担当 板橋瑠花さん:
- はい!11月11日の「チンアナゴの日」に合わせて、チンアナゴ「だけ」当たるくじ引きを用意しました。1等から3等まで外れなし、全部チンアナゴが当たります。
- 編集部:
- なんと!チンアナゴファンにとっては「当たり」しかないですね(笑)
- 板橋さん:
- そうなんです。小さいお子さんはもちろん、校外学習でいらっしゃる中高生にもとっても人気です。性別や年齢問わず、チンアナゴ人気の高さを感じていますね。
- 編集部:
- こういうくじ引きの企画は初めてなんですか?
- 板橋さん:
- カワウソやベルツノガエルのくじはありますが、チンアナゴは初めてです。シュモクザメくじは、Twitterでバズりました!現在、1.4万RT・3.6万いいねをいただいています。
- 編集部:
- 「チンアナゴの日」イベントはいつから始まったんですか?
- 板橋さん:
- 2016年から行っています。毎年好評で、チンアナゴのさまざまな生態をお伝えできるよう工夫しています。
- 編集部:
- チンアナゴってそもそも、どんな生き物なんでしょう
- 飼育担当・角張博聡さん:
- チンアナゴは、流れの強いサンゴ礁外縁部の砂底に生息しています。いつもニョキッと出ているのは、頭の部分。体長は35cmくらいで、意外と長いです。槽の中では体をねじったり、折り曲げたりしていますよ。
- 編集部:
- 最近、新しい仲間が加わったと聞きました。
- 角張さん:
- 10月から、チンアナゴ・ニシキアナゴの仲間である「ホワイトスポッテッドガーデンイール」が仲間入りしました。チンアナゴよりも白っぽい体の色が特徴で、体長も大きいもので70cmくらいになります。
- 編集部:
- チンアナゴは警戒心が強い生き物なんですよね?
- 角張さん:
- そうですね。自然界だと、こんなにたくさんの人に見られたら隠れちゃいます。ホワイトスポッテッドガーデンイールも、慣れるまで結構時間がかかりました。エサやりやモニター越しで根気よく慣らしていくしかないですね。
- 編集部:
- チンアナゴの展示を通じて、お客さんに知ってほしいポイントはありますか?
- 角張さん:
- チンアナゴの独特な生態や、不思議な部分を感じ取ってもらえたら嬉しいですね。ぜひ、たくさんの人に見ていただきたいです。とってもかわいいですよ。
- 編集部:
- ありがとうございました〜!
仙台うみの杜水族館では、11月11日まで、くじ引き以外にも、仙台うみの杜水族館公式YouTubeでチンアナゴ水槽内の水中動画や生態ポスター展示など、「チンアナゴの日」を心行くまで楽しめるイベントが予定されています。直接訪れるもよし、おうちでのんびり観察するもよし。楽しんでみてはいかがでしょうか。
「映えてよし、食べてよし」。かのおがに“ひとめぼれ”丼
仙台市青葉区の複合施設「CROSS B PLUS(クロスビープラス)」では、10月31日までランチタイム限定で「かのおがに“ひとめぼれ”丼」を提供しています。
ひとめぼれ丼は、宮城県産米「ひとめぼれ」30周年を記念し、仙台放送「仙台市青葉区 かのおが便利軒」(毎週日曜午後12時55分~)とのコラボレーションで誕生しました。
「ひとめぼれ」新米とマッチ ラブリーソースとチンジャオロース
粘りが強く、飽きのこない甘みが特徴の「ひとめぼれ」新米と、狩野英孝さんの地元・宮城県栗原産の豚肉、尾形貴弘さんの地元・東松島産のパプリカをふんだんに使ったチンジャオロースが相性抜群!
また、「ミヤギシロメ」という豆腐、柚子胡椒、鶏ガラスープなどを合わせ、ビーツ(赤紫色の野菜)で色を付けたピンク色の特製ソースで、「かのおが」カラーを表現。“ひとめぼれ”丼のラブリーさを演出しています。
ハートにかたどったご飯の中に隠れているのは、なんと東松島産のカキを使った天ぷら。チンジャオロースのタレが絡めてあり、ご飯がどんどん進みます。
「今まで口の中に入れたものの中で一番うまい」
17日に放送された番組内で、狩野さんは「今まで口にいれたものの中で一番うまい!」、尾形さんも「中華っぽくてスパイシー。お米が進みますね」と大絶賛していました。
暑さなどつゆ知らず、水の中をゆらゆら、すいすいと泳ぐ海の生き物たち。種類の異なる魚と競い合うように並んでみたり、岩陰にじっと潜んで身を休めていたり…。
さまざまな仲間が暮らす東北の各水族館の大水槽の様子を撮影した映像が、仙台市青葉区の複合施設「CROSS B PLUS」で17時から放映されています。7TIMESでは、河北新報オンラインニュースに掲載された記事を紹介します。
光きらきら 回遊魚のうろこに反射
黒潮と親潮がぶつかる福島県沖を表現した巨大水槽「潮目の海」が、アクアマリンふくしま(福島県いわき市)の最大の見どころだ。二つの大水槽を両側に見る三角トンネルをくぐると、まるで海中を散歩しているような感覚が味わえる。
水量1500トンの黒潮側では、カツオなど大型の回遊魚5種約35匹が力強く泳ぎ回る。それを避けるように約2万5000匹のマイワシが表層部を群泳。ガラス張りの透明な屋根から自然光が差し込み、回遊魚のうろこに反射してきらめく。
「潮目の海」の飼育を担当する藤井健一さん(45)は「火曜日を除く毎日午後2時半からの餌やりの時間がおすすめ。カツオが興奮した時にだけ見せるしま模様をぜひ観察してほしい」と話す。
【動画】ゆらゆら大水槽 福島・アクアマリンふくしま(河北新報オンラインニュース)
暑さなどつゆ知らず、水の中をゆらゆら、すいすいと泳ぐ海の生き物たち。種類の異なる魚と競い合うように並んでみたり、岩陰にじっと潜んで身を休めていたり…。
さまざまな仲間が暮らす東北の各水族館の大水槽の様子を撮影した映像が、仙台市青葉区の複合施設「CROSS B PLUS」で17時から放映されています。7TIMESでは、河北新報オンラインニュースに掲載された記事を紹介します。
大小ゆらゆら ドリームシアター
ぷかぷかと流れに身を任せて浮かんだり、思い出したかのように大きく傘を開いて進んだり。鶴岡市加茂水族館(山形県)の「クラゲドリームシアター」は、約1万匹のミズクラゲが暮らす国内有数のクラゲ大水槽だ。
大きい個体は優雅に泳ぎ、小さい個体は小刻みに揺れる。直径5メートルの円形水槽に小さな宇宙が広がる。寿命はわずか1年ほど。館内で繁殖・飼育する体制を整え、展示にこぎ着けた。
昨年春から、毎週土曜の夕方から翌日朝にかけ「オールナイトカモスイ」と銘打ったインターネット中継を実施している。
館長の奥泉和也さん(57)は「コロナ禍で水族館に来られない人も中継を見て癒やされてほしい」と願う。
【動画】ゆらゆら大水槽 山形・加茂水族館(河北新報オンラインニュース)
2021-10-10
暑さなどつゆ知らず、水の中をゆらゆら、すいすいと泳ぐ海の生き物たち。種類の異なる魚と競い合うように並んでみたり、岩陰にじっと潜んで身を休めていたり…。
さまざまな仲間が暮らす東北の各水族館の大水槽の様子を撮影した映像が、仙台市青葉区の複合施設「CROSS B PLUS」で17時から放映されています。7TIMESでは、河北新報オンラインニュースに掲載された記事を紹介します。
季節や時間で変化 宝探しの感覚で楽しんで
「竜宮城」が存在するとしたらこんな風景なのかもしれない。男鹿水族館GAO(秋田県男鹿市)の「男鹿の海大水槽」。
笑顔で手を振っているかのようにゆらゆらと泳ぐホシエイやアオウミガメ、メバルは「ゴジラ岩」の口がお気に入りの隠れ家だ。
春から秋の日本海を再現した大水槽には約40種2000匹が暮らす。男鹿半島が北限の産卵地とされるトラフグをはじめ食卓でおなじみのマアジ、ブリも。地元の漁業者から譲り受けた珍しい魚類が泳ぐこともあるという。
広報担当の陶美穂子さん(25 )は「身近な魚でも季節や時間帯によって普段と違う姿を観察できる。宝探しをする感覚で楽しんでほしい」と話す。
【動画】ゆらゆら大水槽 秋田・男鹿水族館GAO(河北新報オンラインニュース)
暑さなどつゆ知らず、水の中をゆらゆら、すいすいと泳ぐ海の生き物たち。種類の異なる魚と競い合うように並んでみたり、岩陰にじっと潜んで身を休めていたり…。
さまざまな仲間が暮らす東北の各水族館の大水槽の様子を撮影した映像が、仙台市青葉区の複合施設「CROSS B PLUS」で17時から放映されています。7TIMESでは、河北新報オンラインニュースに掲載された記事を紹介します。
イルカ、マイワシ、アイナメ…。大水槽「いのちきらめくうみ」
親潮と黒潮がぶつかる三陸の豊かな海を再現する仙台うみの杜水族館(仙台市宮城野区)の大水槽「いのちきらめく うみ」。約2万5000匹ものマイワシをはじめ、アイナメ、マダイ、ウマヅラハギなど計50種約3万匹が暮らす。
一番人気が小型イルカのスナメリの雄。2017年10月、東松島市の沖合の定置網にかかったところを保護された。
イワシの群れに突っ込んだかと思えば、さっと身を翻して他の魚を追い掛けたりと愛嬌(あいきょう)たっぷり。ドチザメとまるできょうだいのように一緒に泳ぐこともある。
広報担当の板橋瑠花さん(25)は「水槽には自然光が差し込んでおり、天候や時間帯によって色合いが変化する。美しい三陸の海をぜひ見てほしい」と話す。
【動画】ゆらゆら大水槽 仙台うみの杜水族館(河北新報オンラインニュース)
「クラフトビール造りで大切にしているのは、『おかわり』をしてもらえるかどうかです」。仙台市中心部初となる醸造所「BATSUJI BREWING(バツジブリューイング)」のブリュワー・畠山崇裕さん(37)の言葉に力が入ります。
東日本大震災を機に警察官から転身してビール職人を意味する「ブリュワー」になった異色の経歴の持ち主。この道10年の経験と知識を総動員して挑んだ「メイド・イン・仙台」のクラフトビールがついに完成しました。
10月8日から仙台市青葉区の複合施設「CROSS B PLUS」で提供が始まります。造り手の思いを聞きました。
2種類のヘイジーIPAとずんだヘイジ―が登場
BATSUJI BREWINGで提供するビールは
最初に仕込んだビールは、アルコール度数の低いヘイジ―IPA。次に、アルコール度数を上げたヘイジ―IPA。そして、宮城県産の枝豆をふんだんに使った「ずんだヘイジ―」です。
ヘイジ―IPAは、自分のブリュワー人生の中でも「最高傑作」と言ってもいいくらい、美味しいビールが出来ました。品質の高いホップと酵母を用い、そして何より私が愛情を注いだ成果が表れたと思います(笑)。
「おいしい、もう1杯!」を造ることがブリュワーの役割
ビール造りで大切にしていることは
私が目指すのは、「おかわりできるビール」であることです。自分が造りたいと思ったビールを造っても、お客さまに「おいしい」「また飲みたい」と思ってもらえなければ、それはただの自己満足。
クラフトビールは大手の量産品に比べて単価は高いですが、それでもお金を払って2杯目を飲みたいと思えるものを造ることが目標です。
大きなことをいえば、100人が飲んで100人がおかわりするビールが最終目標。自分本位のビール造りではなく、あくまで客観的に、お客さま視点でのビール造りを心掛けています。
「おいしい、もう1杯!」とおかわりしてくれるビールを造って、次々新鮮なビールを楽しんでもらうことが、我々ブリュワーの役割です。
ひたすらに、がむしゃらに ビール造りと向き合って
ブリュワーとしての歩みは
東日本大震災が転機になりました。それまでは神奈川県で警察官をしていたのですが、故郷の力になりたいと思いまして。生まれ育った宮城県加美町に2011年に戻り、地元の「やくらいビール」に入ってブリュワー人生をスタートさせました。
それから8年間はがむしゃらにビール造りに取り組みました。ビールは何百種類も飲みましたね。ビールに対する味覚にもっと磨きをかけたかったので。先輩ブリュワーさんが勧めてくれるものは全部飲みましたし、全世界のクラフトビールを制覇するくらいの気持ちでした。
もちろん、技術の習得を目指して、地産地消の素材にこだわって造るビールが自慢の「ろまんちっく村」(栃木県)に研修にも行きましたし、オリジナルビールのレシピを作るために、化学とか数学も勉強しました。6年かけて積み重ねた経験が自信と手応えとなって、お客さまから「おいしい」と言ってもらえるビールを造れるようになりました。
それからは、ビール造りと両立しながら、東北はもちろん全国のイベントに出張して、自分の手でお客さまに自慢のビールを届けました。お客さまの声を直に聞き、目標とする「おかわりしたいビール」造りに生かしてきました。
「仙台でクラフトビールファンをさらに増やす場所を作りたい!」。次のステップとして、「職人」の域を超えてビールを提供する側「ビアパートナー」を目指そうと考え始めていました。
そんな時、岩手県花巻市でブルワリー「Brew Beast(ブリュービースト)」を立ち上げたばかりの方に「設備だけはあるけれど、ノウハウもなくうまくいかない」と相談されて…。それでBrew Beastで1年半、醸造所の基盤づくりや後継者の育成、経営マネジメントを担いました。
噂のブルワリーに「立候補」
BATSUJI BREWINGでの挑戦を決めた理由
今の自分があるのは、人とのつながりがあってこそ。やくらいビールに入社するときも、ブリュワーとしてビール造りを始めてからも、そして仙台に来るきっかけをもらったのも、すべて「人の縁」です。
特に、BATSUJI BREWINGの話は、花巻にいる時から業界内では噂になっていました。2021年1月、立ち上げに関わっている方から「噂のブルワリーでビール造りができる人を探している」との情報をもらいました。
花巻も軌道に乗っていたし、仙台のど真ん中でビールが造れて、しかもレストラン併設。お客さんとの距離が近くて、クラフトビールファンも増やすお手伝いができる。「わたしでどうですか」と立候補しました。「とにかくチャレンジしてみたい!」というワクワク感でいっぱいでしたね。
クラフトビール造りの魅力「一生の仕事にしたいくらい」
BATSUJI BREWINGでの目標は
BATSUJI BREWINGがクラフトビールに興味を持つきっかけになったり、もっと好きになったりする場所にしたいです。
併設のレストラン「CROSS B PLUS」と連携して、東北・新潟の魅力をいっぱい詰め込んだビールを届けますから。「もう樽が空になりました」ってレストランから嬉しい悲鳴が上がって、私を困らせるぐらいたくさん飲んでもらいたいですね。
「工場を拡張しないと間に合わない!」と焦ってしまうほど、多くのお客さまが口にしてくれたら、ブリュワー冥利に尽きますね。
ビール造りの面白さは、おいしいビールを造ったその先に、人と人とのつながりができることです。造り手が現場に出て、お客さまの顔を見ながら会話して、交流が深まっていく…。一般的な製造業ではなかなか味わえない喜びに満ちています。
ブリュワーを一生の仕事にしたいと思えるぐらい、クラフトビール造りの魅力に取りつかれた私のビールを飲みに来てください。
※河北新報オンラインニュースでも「BATSUJI BREWING」の記事と動画を掲載しています。
10月8日から「CROSS B PLUS」で販売スタート。
東北・新潟のクラフトビール文化を、『BATSUJI BREWING(バツジ・ブリューイング)』から発信したい―。
仙台市中心部初の醸造所となるBATSUJI BREWINGは、横浜で人気のビール醸造所併設レストラン「REVO BREWING(=以下REVO)」を手掛けるTRIPLE R(東京)がコンサルティングを担っています。
代表の髙橋誠さん(43)はワインソムリエの資格を持つ一方、同社として都内にワインとステーキの店を3店舗構えるなど、味づくりだけでなく飲食を通じたにぎわい創出でも高い実績を誇ります。
仙台の中心拠点である「芭蕉の辻」でのビール作り構想が動き出して1年半。10月8日からはクラフトビールの提供が始まります。クラフトビールに懸ける「夢」、描く未来図を聞きました。
運命を変えたアメリカの「ヘイジー」
クラフトビールとの接点は
もともとは「ワイン屋」なんです。最初に手掛けた店も、ワインとステーキがメイン。ワインに関してはそれなりに自信がありました。
ただ、ビールだけは違いました。ワインはもちろん、日本酒や他のお酒の知識はあるのに、実はビールだけは何ひとつ分かりませんでした。生来の負けず嫌いの性格から2018年、「クラフトビールの聖地」とされるアメリカに飛びました。
現地で飲んだのは、少し濁りのある「ヘイジーIPA」と呼ばれる種類のクラフトビール。飲んだ瞬間、「これだ!」と。今でもあの時の衝撃は忘れられません。ヘイジ―の美味しさを日本でも味わってほしい、自分の手で広めたいとの思いが募りました。帰りの飛行機で醸造所の図面を描くぐらい、心をわしづかみにされましたね。
あの時、アメリカに渡り、あの味に触れていなかったら、クラフトビール事業はやっていなかった。ヘイジーが僕の運命を変えたんです。
冗談交じり「ビール造りましょうよ!」
プロジェクトとのかかわりは
僕は宮城県栗原市の出身。長く仙台に住んでいました。仙台で働いていたころ、「CROSS B PLUS」のプロモーションなどを担当しているBORDER ACT(仙台市)代表の葛西義信さんと仕事をしていた時期がありました。東京に拠点を移した後も葛西さんとはSNSでつながっていました。
2019年の冬、僕のSNSを見た葛西さんが、横浜のREVOを訪ねてきました。その際、「実は仙台の芭蕉の辻で新しいプロジェクトをやるんだけど…」と相談を受けました。土地勘があるので、「芭蕉の辻」と聞いてピンときました。それで冗談交じりに提案したんです。「ビール造りましょうよ」って。
ビルオーナーの心意気に誓い「絶対に成功させる」
実現までの流れは
何度も仙台に足を運び、実際に醸造所を作れるかどうか、許認可のことも含めて調べました。そもそも仙台市中心部には醸造所の前例がなかったので、行政も戸惑い気味でした。でも一貫して、「できるな」という手応えはありました。
最終的にはビルオーナーの仙台ビルディングに承諾をもらえたので、実現に向けて動き出しました。ただ、課題がありました。一つは、当初の電力量では醸造所の機材を動かせなかったこと。二つは吸排気。建設中のビルの壁に穴を空ける必要がありました。
二つの難題をクリアできたのは、ひとえにオーナーの理解と共感です。芭蕉の辻という由緒ある場所で新しいものをつくるチャレンジに、すごく共感してくれて応援してくれた。結果的に電力設備は屋上に追加。ビルの壁に穴をあけることも許可してくれました。常識的には難しいことなのに、ここまでやってくれたんです。だから、心に誓いました。「絶対に成功させる。最後までやり遂げる」と。
出来立てのクラフトビールを味わえる
「BATSUJI BREWING」の強みは
醸造所併設レストランの強みは、ビールも料理も出来立てをそのまま提供できることです。同時に、お客さんとコミュニケーションを取りながら、反応を直接確かめられることです。おいしさをダイレクトに。反応をリアルに。大切なものを損なうことなく届け合えるのは、一番の強みです。
BATSUJI BREWINGの構造が、まさにそうなっています。醸造樽からビールサーバーには、管がダイレクトにつながっており、おいしさを逃がすことなくサーブできる。これが仙台では初めてのスタイルです。
さらに東北では馴染みの薄い「ヘイジ―IPA」が味わえるというのも強みです。ヘイジーは、ホップをふんだんに使用しており、香りが高くて、まるでジュースのような味わいです。こうしたビールを楽しむ文化が東北にはありませんでしたから、皆さんにどれだけ喜んでもらえるか今から楽しみです。BATSUJI BREWINGでクラフトビールを造り、CROSS B PLUSで出来立てを出す。市販とは比べ物にならない美味しさを保証します。
美味しさをさらに際立出せてくれるのが、醸造所の中が「見える」という特長です。衛生上、中には入れませんが、大きなガラス越しに、醸造の施設も作業の光景も間近に見えます。アメリカのブルワリーは囲いがない上に内部は外からも見えて、とても開放的。自由な雰囲気にあふれています。これが飲み手にとっては親しみや安心感につながるのだと体感しました。
BATSUJI BREWINGも、そのスタイルを取り入れました。たくさんの人に見てもらい、親しんでもらい、味わってもらいたい。それは当然、ブリュワー(ビール職人)の気合にもつながるのです。
東北・新潟の魅力 クラフトビールで表現
「BATSUJI BREWING」が目指す姿は
コンセプトは「東北・新潟のクラフト」。東北・新潟の食材を原料にしたビールを構想しています。10月8日からは、宮城の枝豆をふんだんに使った「ずんだヘイジーIPA」を提供します。ブリュワーの畠山崇裕さんを中心に、製造過程の中で、「香りがつくか」など相当な試行錯誤がありましたね。
そして仙台のど真ん中でビールを作るからには、東北・新潟のブルワリーともコラボしてみたい。東北・新潟にある地元密着型の醸造所同士をつなぐハブになれればと思います。コラボから生まれたビールは、全国はもちろん、コロナ禍が落ち着いたら海外にも出せるようになれば面白いなと思っています。
ここで作業をしていると、BATSUJI BREWINGへの期待値の高さが多方面から伝わってくるのでプレッシャーはあります。だからこそ、「東北・新潟の魅力をクラフトビールで表現する」。ビール屋がやるべきことは、これに尽きます。
※河北新報オンラインニュースでも「BATSUJI BREWING」の記事と動画を掲載しています。
10月8日から「CROSS B PLUS」で販売スタート。
味、香り、色合い…。個性豊かなクラフトビールが各地で造られ、時代は「ご当地ビールブーム」です。40を超える醸造所がある東北で、新たに名乗りを上げた「BATSUJI BREWING」(バツジ・ブリューイング)。仙台市の中心市街地で初の本格醸造所は、青葉区大町の複合施設「CROSS B PLUS」(クロス・ビー・プラス)内に整備されました。
10月8日から併設のレストランで、「メイド・イン・仙台」のクラフトビールが楽しめます。製造をサポートするドイツ国家認定の「ブラウマイスター」で、BATSUJI BREWINGの施設整備を手掛けた株式会社bet(東京)代表のマルクス・ルツィンスキーさん(50)に、仙台生まれのビールへの期待などを聞きました。
「このブルワリーのために全てカスタムメード」
「BATSUJI BREWING」の設備の特徴は
BATSUJI BREWINGの設備は、プランニングやデザインに半年以上をかけ、すべてカスタムメイドで造っています。タンクやパイプ接続の位置も自由に決めることができ、作り手側のリクエストにも柔軟に応えられるところが強みです。
部品も世界各国の一流メーカー品を使っているので、とても長持ちしますし、使いやすい。エコでサステナブルな設備になっているところも特徴です。
醸造所内には300Lの発酵タンクが6本あります。仕込みは一度に300Lまで対応できるように、仕込み釜や麦芽の粉砕機を整えました。
これまで弊社が手掛けてきたブルワリーで例えると、T.Y.HARBOR(東京)や、Mt. Fuji Brewing(静岡)と同じくらいの大きさです。
弊社は東北ではベアレン醸造所(岩手)の雫石新工場も手掛けましたので、東北のビール作りにも携わってきた実績があります。
「ちゃんとした設備といい酵母が一番大切」
ビール作りのポイントは
まずは、設備が「造りたいビールの姿」と合っているかどうか。そして衛生面には最新の注意を配ることです。
次に原材料。特に酵母は重要です。ビールのまろやかな泡や炭酸の弾け具合、フルーティーな香りなど、すべては酵母に左右されるといっても過言ではありません。
液体酵母は、乾燥酵母に比べて価格は高いですが、味やフレーバーが乾燥酵母とは全然違います。ここでも液体酵母をぜいたくに使い、質の高いビールを醸します。
最後はブリュワー(ビール職人)のスキルですね。設備、酵母、ブリュワーのスキル、どれか一つでも欠けたら、おいしいクラフトビールは造り出せないでしょう。
「BATSUJI BREWINGのビジネスチャンス大きい」
仙台市中心部にブルワリーができることをどのように捉えていますか
BATSUJI BREWINGは、仙台の中心部にあり、ロケーションは抜群です。ビジネスチャンスは大きいと思います。レストランのデザインも素晴らしく、新しいクラフトビールの「育て役」にもなってくれるでしょう。可能性はたくさんあると感じています。
東北や新潟の食材を使ったビールを作って、街を盛り上げていってほしいですね。
※河北新報オンラインニュースでも「BATSUJI BREWING」の記事と動画を掲載しています。
10月8日から「CROSS B PLUS」で販売スタート。
イタリア菓子「マリトッツォ」がブームですが、次に続くのはこれかもしれません。チョコレート菓子の王様「テリーヌショコラ」。チョコのおいしさをギュっと詰め込み、口に運べば滑らかなくちどけ、濃厚な味わい…。チョコを最も堪能できるスイーツとして全国各地で「名物」が登場しているのもうなずけます。
そんな中、仙台を代表するテリーヌショコラに名乗りを上げたのが、今春オープンした複合施設「CROSS B PLUS」(青葉区大町)の逸品です。カフェ・ダイニングの一角にそっと置かれ、特段の宣伝などはしてきませんでしたが、口コミで評判が広がり発売2カ月で100本以上が出る看板スイーツになりました。製作・監修を担当するショコラティエ・村田友希さん(32)においしさの理由を聞きました。
ショコラティエ・村田友希さんってどんな人?
1989年1月、京都府出身。京都市内の洋菓子店に入り、パティシエとしてキャリアをスタート。11年、「ワールドチョコレートマスターズ2007」で総合優勝の水野直己氏率いる「洋菓子マウンテン」(京都府福知山市)に移り、同氏の下で修業。12年より「スーシェフ」を務める。14年からフランス、ルクセンブルグと巡りながら現地のパティスリーで研さんを重ねる。帰国後の2019年、東京・日本橋のチョコレート専門店「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」でシェフショコラティエ就任。
思いが「クロス」、ぎゅっと形になったチョコレート
「おいしいものがあれば、そこに人は来る」。それが村田さんの信念です。チョコレートのプロ、ショコラティエである村田さんにすれば、「チョコレートでまちを元気にする」。
「CROSS B PLUS」の菓子部門「BATSUJI CRAFT」への参画を快諾したのも、東日本大震災からの復興途上にある東北に、「チョコの力」で少しでも貢献したいと考えたからでした。
食べる温度で印象ガラリ 口どけの変化楽しんで
- 編集部:
- まず、おすすめの食べ方は?
- 村田さん:
- テリーヌショコラはその温度によって、味わいがガラッと変わります。まずはしっかり冷やし、薄めにスライスして、そのまま食べることをお勧めします。滑らかな口どけと濃厚な味わいを楽しんでください。イチ押しの食べ方は、レンジで5秒ほど温めること。中心がトロッと溶けて、まるで生チョコのようになります。焼き菓子とは思えない食感を味わえますよ。お好みのテクスチャー(食感)を探ってみてください。
- 編集部:
- ホイップやフルーツを添えはアリですか?
- 村田さん:
- アリです! フランボワーズのピューレとか、オレンジは特によく合います。成人限定ですが、お酒との相性も抜群です。ワインやウイスキーはもちろん、意外とビールにも合いますよ。ぜひ一緒に食べて、マリアージュ(組み合わせ)を楽しんでください。
濃厚だけど、つい手が伸びる味わい
- 編集部:
- 使うチョコレートにもこだわっているんですよね。
- 村田さん:
- CROSS B PLUSでは、フィリピン・ミンダナオ島のカカオ農園から買い付けた良質な豆だけで作られた「AURO CHOCOLATE」を用いています。「AURO」の魅力を最大限に引き出せるよう、温度管理など細かいところまで気を使って作っています。目指しているのは「一口食べても、もう一口食べたくなる」です。濃厚だけど、つい手が伸びる味わいになるようレシピを考えました。
- 編集部:
- テリーヌショコラのおいしさの秘密は?
- 村田さん:
- 一つは、ビターチョコレートとミルクチョコレートの配合割合ですね。ビターは風味が力強い分、多すぎると味わいが重くなり過ぎてしまいます。だからミルクとのバランスがとても大切なんです。配合を何度も変えて試作を重ねて、今回の黄金比にたどり着きました。焼き方に関しても、火の通し方で口どけが変わるので、すごくデリケート。特に気を配っていますね。
東北の食材でチョコレートの可能性を広げたい
- 編集部:
- 次回作にも期待が高まります!
- 村田さん:
- せっかくいただいたご縁なので、引き続き携わらせていただけたらと願っています。僕は、出会った食材からインスピレーションを得て、商品づくりをすることが多いので、仙台や東北の食材を学び知って、それを生かしたチョコレートを作ってみたいです。いろんな組み合わせを楽しめるのがチョコレートの魅力。東北とのコラボレーションで、チョコレートの可能性をさらに広げたいですね。
「CROSS B PLUS」で販売中。2000円(税込み)。テイクアウトも可能。店内では、テリーヌショコラ、ランゴー生ショコラ、ソシソンショコラジャポネの3種が味わえる「nel コラボレーションプレート」600円(税込み)が新たにメニューに加わった。
問い合わせは0223997091。年中無休。
※営業時間は店舗にお問い合わせください