味、香り、色合い…。個性豊かなクラフトビールが各地で造られ、時代は「ご当地ビールブーム」です。40を超える醸造所がある東北で、新たに名乗りを上げた「BATSUJI BREWING」(バツジ・ブリューイング)。仙台市の中心市街地で初の本格醸造所は、青葉区大町の複合施設「CROSS B PLUS」(クロス・ビー・プラス)内に整備されました。
10月8日から併設のレストランで、「メイド・イン・仙台」のクラフトビールが楽しめます。製造をサポートするドイツ国家認定の「ブラウマイスター」で、BATSUJI BREWINGの施設整備を手掛けた株式会社bet(東京)代表のマルクス・ルツィンスキーさん(50)に、仙台生まれのビールへの期待などを聞きました。
「このブルワリーのために全てカスタムメード」
「BATSUJI BREWING」の設備の特徴は
BATSUJI BREWINGの設備は、プランニングやデザインに半年以上をかけ、すべてカスタムメイドで造っています。タンクやパイプ接続の位置も自由に決めることができ、作り手側のリクエストにも柔軟に応えられるところが強みです。
部品も世界各国の一流メーカー品を使っているので、とても長持ちしますし、使いやすい。エコでサステナブルな設備になっているところも特徴です。
醸造所内には300Lの発酵タンクが6本あります。仕込みは一度に300Lまで対応できるように、仕込み釜や麦芽の粉砕機を整えました。
これまで弊社が手掛けてきたブルワリーで例えると、T.Y.HARBOR(東京)や、Mt. Fuji Brewing(静岡)と同じくらいの大きさです。
弊社は東北ではベアレン醸造所(岩手)の雫石新工場も手掛けましたので、東北のビール作りにも携わってきた実績があります。
「ちゃんとした設備といい酵母が一番大切」
ビール作りのポイントは
まずは、設備が「造りたいビールの姿」と合っているかどうか。そして衛生面には最新の注意を配ることです。
次に原材料。特に酵母は重要です。ビールのまろやかな泡や炭酸の弾け具合、フルーティーな香りなど、すべては酵母に左右されるといっても過言ではありません。
液体酵母は、乾燥酵母に比べて価格は高いですが、味やフレーバーが乾燥酵母とは全然違います。ここでも液体酵母をぜいたくに使い、質の高いビールを醸します。
最後はブリュワー(ビール職人)のスキルですね。設備、酵母、ブリュワーのスキル、どれか一つでも欠けたら、おいしいクラフトビールは造り出せないでしょう。
「BATSUJI BREWINGのビジネスチャンス大きい」
仙台市中心部にブルワリーができることをどのように捉えていますか
BATSUJI BREWINGは、仙台の中心部にあり、ロケーションは抜群です。ビジネスチャンスは大きいと思います。レストランのデザインも素晴らしく、新しいクラフトビールの「育て役」にもなってくれるでしょう。可能性はたくさんあると感じています。
東北や新潟の食材を使ったビールを作って、街を盛り上げていってほしいですね。
※河北新報オンラインニュースでも「BATSUJI BREWING」の記事と動画を掲載しています。
10月8日から「CROSS B PLUS」で販売スタート。