東日本大震災で津波被害を受けた仙台市若林区藤塚に4月21日オープンする農園、温泉、レストランの複合施設「アクアイグニス仙台」の記者発表会が2月28日、青葉区の複合施設「クロスBプラス」で行われました。レストランなどのメニューを監修する有名シェフら3人がコンセプトを説明しました。
登場したのはパティシエの辻口博啓氏、東京のイタリア料理店「リストランテ アクアパッツァ」オーナーシェフの日高良実氏、人気和食店「賛否両論」店主の笠原将弘氏。
辻口氏は「生産者の思いなどを組み合わせたストーリー性のあるお菓子やパンを地元の人たちと作り上げていきたい」と強調。日高氏も「東北の海の幸を中心においしいイタリア料理として紹介していく」と語りました。笠原氏は「東北の食材を使い、東北の食の一大拠点にする」と意気込みました。
アクアイグニス仙台は建設業の深松組(青葉区)が市の防災集団移転跡地利活用事業に応募し、整備を進めています。約3万2000平方メートルの敷地に東北初出店となる「猿田彦珈琲(コーヒー)」のカフェ、津波発生時は避難場所になる温泉棟など6棟と農業ハウス1棟を建てます。
深松組など3社は2019年に運営会社「仙台reborn」を設立しました。市地下鉄東西線荒井駅(若林区)から無料のシャトルバスを走らせるほか、周辺の観光施設をつなぐバスの運行も検討しています。
仙台reborn代表も務める深松組の深松努社長は「震災ボランティアなどで来た国内外の人に訪れてもらい、復興から未来への第一歩を踏み出すような施設にしたい」と話しました。