「奇想」と呼ばれる日本画家について動画や分かりやすい解説で学ぶ「プレミアム美術講座」(河北新報社、日本経済新聞社主催)が4月3日、仙台市青葉区の複合施設「クロスBプラス」で行われました。3回続きの初回で「奇才」「異端児」と評される江戸時代の画家伊藤若冲(じゃくちゅう)を取り上げました。
日本経済新聞社の文化教養講座「日経アートアカデミア」の動画を大型ビジョンで上映。2000年以前は知名度が低かった若冲の人気が高まった経緯、作品のリアルな描写や遊び心といった魅力を紹介しました。
元吉本興業のお笑い芸人で美術の魅力を伝える「アートテラー・とに~」さんが講師として登壇。「若冲作品に海外では『シュールレアリスムのようだ』という反応が多い。写実的に見えて、現実にないような物を描いている」と語りました。
約70人が参加。名取市の住職長沢信幸さん(69)は「映像がきれいで見やすく、説明も良かった」と話しました。
同じ会場で14日は長沢芦雪(ろせつ)と曽我蕭白(しょうはく)を取り上げました。とに~さんは蕭白の作品について、「情報量が多くて胃もたれします」とお笑い芸人らしい言葉で表現。ゴチャゴチャと執拗に、細密に描かれているのが特徴です。
第3回の24日に取り上げたのは円山応挙と小村雪岱。正統派のイメージが強い応挙について、「実は一番奇想の画家」という視点を持つとに~さん。写実的で光を表現した画風はモネやルノワールよりも先に印象派の画法を取り入れた先駆者であると独自の解釈を披露しました。