東北の魅力を食や映像で体感できるイベント「東北ライブレストラン」が1月22日─2月4日、仙台市青葉区の複合施設「CROSS B PLUS(クロスビープラス)」で開催されました。
その一環で1月29日、食のイベントとして「生産者とつながるライブイベント」が行われました。
仙台市泉区根白石のシイタケ農家熊谷幸夫さん、貴幸さん親子が、シイタケ栽培を行うビニールハウスからオンラインで登場。熊谷さんの自慢のシイタケは本企画のランチ、ディナーで「熊谷農園の原木シイタケと秋田比内地鶏・青森にんにくのアヒージョ」として提供されており、栽培の苦労やこだわりのお話はおいしさアップにつながる内容でした。
父の幸夫さんは全国の品評会で最高賞の農林水産大臣賞を4年連続受賞する、名実ともに「シイタケ名人」。息子で3代目の貴幸さんは、そんな父の背中を見て育ち、中学校卒業時には跡を継ぐ決心をしたそうです。
ビニールハウスがあるのは泉ヶ岳のふもと。寒暖差が大きく、きれいな雪解け水が注ぐこの地域はシイタケ栽培にはとても適しているそうです。幸夫さんは「シイタケ栽培には水がとても大事。泉ヶ岳の雪解け水が大きくて品質のよいシイタケを育ててくれる」と自然の恵みに感謝していました。
原木でのシイタケ栽培は手間がかかり、収穫回数も少ないため、宮城県内で取り組む農家は減少の一途。この現状に貴幸さんは「原木栽培の火は消したくない。今後はもっと規模を拡大して県外の方にも自分の育てたシイタケを食べてもらう機会を増やしたい」と意気込みます。さらに「将来は父のように品評会で賞を取りたい」と力を込めました。
トークの後、会場ではオリーブオイルで蒸し焼きしたシイタケが振る舞われました。味付けは塩コショウのみというレシピは熊谷さん親子お勧めの食べ方で、訪れた人たちは香ばしく、弾力のあるシイタケを満足げに噛みしめていました。
イベントでは他に、東北6県ランチプレートをコーディネートした「フードスタジアム東北」編集長の澤田てい子氏が、提供メニューについて解説。各地の食材生産者を訪ね歩き、目にした現場の光景や心に残ったエピソードなどを披露しました。
レシピ
材料
- 原木シイタケ
調味料
- オリーブオイル・塩・胡椒・醤油などお好みの調味料
つくり方
- 原木シイタケ(生)の石突を切る。
- フライパンにオリーブオイルを薄くのばす。
シイタケの笠の表面を3分ほど焼く。 - 火を弱め、シイタケを返し、フライパンに蓋をし、弱火で蒸し焼きする。
- 塩や醤油、お好みの味付けでどうぞ!
熊谷農園の熊谷幸夫さんはめんつゆがおすすめ。
ポイント
- オリーブオイルをたっぷり使うこと。
原木シイタケの強い香りと味わいが引き立ちます。 - 熊谷幸夫さんおすすめの味付けは、まろやかな味わいでご飯にも合う、めんつゆ。
塩だけで、シイタケ本来の香りとうまみ汁を楽しんでも◎
熊谷農園
宮城県仙台市北部・泉ヶ岳のふもとで原木シイタケ栽培と水稲を営む。
原木栽培は、丸太状の原木に種コマと呼ばれる菌を打ち込み、原木に含まれる養分と水だけで育てる、天然に近い栽培方法。
食のプロからも絶大な信頼があり、仙台市内のホテルや飲食店からも支持されています。